




【ウッドデザイン賞 2018受賞】
◆子どもたちに遊びを創り出せる「生きる力」を
◇遊びを創り出せる「生きる力」をもった子どもたちを増やしたい
かつて子どもたちは野山川など自然の中で想像力をめいいっぱい使い遊んでいました。その手にはナイフがあり、自然との対話の中で「生きる力」を育んでいきました。
しかし、いつからか危ないからと子どもたちから遠ざけられたナイフ。
「再び、子どもたちの手にナイフを」と立ち上がったのがmorinocoナイフプロジェクトです。
◇子ども仕様:安全と使いやすさを追求
子どもたちにとっての使いやすさを重視し、欧州で普及するナイフのベンチマークと専門家からのアドバイス、そして森のようちえんやワークショップなどで試作品を使用したユーザー(子・親)からの800人以上の声を徹底的に反映して0.1mm単位で調整を重ねてきました。
「安全な形状」「刃の素材」「刃付け角度」「折り畳み機構」など一つ一つを研究し、その試作品の数は100を越えます。
その結果、子どもたちが安全に、そして相棒として長く使ってもらえるナイフが誕生しました。
◇関刃物のプライド
岐阜県関市は刃物の町として全国に知られています。関の刃物の特徴は、鋼とステンレスの三層構造にあります。鋼の切れ味とステンレスの耐久性。その良さを併せ持った関の刃物は、世界中から支持されています。子ども用ナイフだからといって妥協はしません。関の伝統を子どもたちに届けます。
◇関市の森林資源の活用
自然との接点をもち、親しみを持てるように地元の森林資源使い、ハンドルを作ることに。林業現場で通常は廃棄されるヒノキの枝を活用しました。枝は、サイズ形状が1本1本違うため、量産化が難しい素材です。しかし、産地の技術力で形状が不揃いの枝を使ったハンドル加工の量産化も成功しました。
◇産学官民連携のmorinoナイフプロジェクト メンバー
・株式会社石川刃物
・関市
・岐阜県立森林文化アカデミー
・合同会社ツバキラボ
・中濃森林組合
そして、日々子どもたちと触れ合う保育園や森のようちえんなどの先生や一般の方々と一緒に開発を進めてきました。